オウム病とは何ですか?オウム病は、インコやオウム、ハトなどの鳥の糞や唾液に含まれる「オウム病クラミジア」という細菌が原因で、人に感染する呼吸器の病気です。

オウム病の原因と感染経路

オウム病は「オウム病クラミジア(Chlamydophila psittaci)」という細菌によって引き起こされます。この菌は鳥の糞や唾液に含まれており、感染した鳥の糞や羽粉を吸い込んだり、口移しで餌を与えたりすることで人に感染します。感染者の多くは鳥との過度な接触が原因で、健康な鳥でも菌を保有している場合があります。人から人へ感染することはほとんどなく、主に鳥からの感染が問題となります 。

症状と潜伏期間

感染後、1~2週間の潜伏期間を経て、突然38度以上の発熱と咳、痰が出る呼吸器症状が現れます。さらに全身倦怠感、筋肉痛、関節痛、頭痛などインフルエンザに似た症状も出ます。重症化すると呼吸困難や意識障害を引き起こし、死亡例も報告されています。特に妊婦は重症化しやすいとされています 。

日本と海外の感染状況

日本では年間の報告数は数例から十数例程度で、2025年も全国で5例ほど報告されています。長崎県では2025年6月時点で1例の報告があり、過去の報告例は2005年や2017年に数例あります 。一方、ヨーロッパでは2023年末から2024年にかけてオーストリア、デンマーク、オランダなどで患者数が増加し、死亡例も報告されています。これらの国々では野鳥や家禽との接触が多くの感染例で確認されており、PCR検査の普及により診断が増えた面もあります。

予防策と対策

オウム病の予防には、鳥類との過度な接触を避けることが重要です。鳥を飼育している場合は、ケージの掃除をこまめに行い、世話の後は必ず手洗い・うがいを徹底しましょう。鳥の健康管理にも注意が必要で、体調を崩した鳥は感染源となる可能性があります。咳や息苦しさなどの症状が出た場合は、医療機関で鳥を飼っていることを伝えて受診してください。

まとめ

オウム病は鳥由来の細菌感染症で、主に鳥の糞や唾液から感染します。日本ではまれな病気ですが、海外では増加傾向も見られます。適切な予防策と早期の医療受診が重症化防止に重要です。

投稿者 gravity

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