リトル・ペブルとは、オーストラリアのウィリアム・カミングという人物が名乗った名であり、彼が主宰したとされるキリスト教系の私的啓示運動、またはその中心人物そのものを指します。カトリック教会からは正式に認められていない「預言者」とされ、独自の教義や予言を提唱し、多くの信奉者を集めました。
リトル・ペブル運動の起源と主張
リトル・ペブルことウィリアム・カミングは、1970年代に聖母マリアやイエス・キリストからのメッセージを受け取ったと主張し始めました。彼は自身を「最後の預言者」「聖母マリアの小さな石(リトル・ペブル)」と称し、世界が終末に近づいていること、そしてその前に起こるべき出来事、特に**「大警告」や「三日間の闇」**といった出来事を繰り返し預言しました。
彼のメッセージは、カトリック教会の教義を厳格に守ることを強調し、現代社会の世俗化や教会の堕落を強く批判する内容が多く含まれていました。また、ファティマの聖母の預言との関連性も指摘し、自身がその預言の成就に関わる存在であると主張しました。
主要な教義と予言
リトル・ペブルの教義と予言の中核をなすのは、以下のような点です。
- 大警告(The Warning): 全人類が神の光によって自分の罪を認識する内的な体験。これは、来るべき審判の前兆であり、人々が悔い改めて神に立ち返る最後の機会であるとされます。
- 三日間の闇(Three Days of Darkness): 大警告の後に起こるとされる、地球全体が完全に闇に包まれる期間。この間は悪霊が地上を彷徨い、信仰を持つ者だけが安全に過ごせると預言されています。
- 迫害と背教: 教会内部の背教と、真の信仰を持つ者への迫害が強まることを預言。
- 聖職者の堕落: 現代の聖職者が真の信仰から離れ、世俗的な道に進んでいることを強く非難。
これらの預言は、ディストピア的な要素や終末論的な色彩が強く、信奉者に対しては祈り、断食、そして聖母マリアへの献身を強く促しました。
カトリック教会からの評価
リトル・ペブルの活動は、その初期からカトリック教会、特に地元の教区であるオーストラリアのバララット教区によって調査され、最終的には公式に否定されました。教会は、彼の主張する「私的啓示」は真正なものではなく、その教義には教会と矛盾する点が多く、信仰を混乱させるものであると判断しました。
具体的には、彼の預言が度々外れたこと、教会の権威を無視した行動、そして信奉者からの金銭的な問題などが批判の対象となりました。カトリック教会は、信者に対してリトル・ペブルの運動に関わらないよう警告を発しています。
リトル・ペブルの影響と現状
教会の公式な否定にもかかわらず、リトル・ペブルのメッセージは世界中に広がり、特に終末論的な信仰を持つ人々や、カトリック教会の現状に不満を持つ一部の保守的な信者から支持を集めました。彼のメッセージは書籍やウェブサイトを通じて広められ、現在でも一部にその信奉者が存在します。
しかし、その活動の中心人物であるウィリアム・カミングは2018年に死去しており、運動の今後の展開は不透明です。また、過去には彼自身の個人的な行動や、信奉者に対する不適切な行為が報じられたこともあり、その評価は非常に複雑で賛否両論があります。
リトル・ペブルに関する情報は、主に彼の信奉者によるウェブサイトや、彼を批判する立場からの情報源が混在しています。情報を収集する際には、その情報源の信頼性を慎重に吟味することが重要です。 「リトル・ペブル」とは、オーストラリアに本部を置く「聖シャーベル修道会」に関連するとされる団体、またはその創設者を指す言葉ですが、特に日本では**新興宗教団体「リトル・ペブル同宿会」**として知られています。この団体は、一部メディアで物議を醸す報道がされたことで注目されました。
「リトル・ペブル同宿会」の概要
「リトル・ペブル同宿会」は、カトリックの聖母マリア出現現象を信じ、終末論的な予言を唱えることで信者を募ってきたとされています。特に日本国内においては、秋田県で共同生活を送る信者たちの存在や、その独特の教義、儀式について、複数のメディアが取り上げています。
メディアによる報道と評価
「リトル・ペブル同宿会」は、一部のメディアで**「セックス教団」**として報じられたことで、社会的な注目を集めました。これは、儀式と称して特定の行為が行われているとされたためです。これらの報道は、教団に対する強い批判や論争を引き起こしました。
オーストラリアに拠点を置く本部の聖シャーベル修道会は、この団体が日本で行っていた活動や教義の一部を公式には認めていないとされています。
近年の動向
近年では、この「リトル・ペブル同宿会」が解散したとの情報も報じられています。これまでの活動や報道を含め、その実態については様々な見解が存在します。
まとめ
「リトル・ペブル」という言葉が指すのは、主に日本で活動し、物議を醸した新興宗教団体「リトル・ペブル同宿会」とその関連する活動を指すことが多いです。その教義や活動内容は、一般的にはカルト的な要素を持つと見なされ、社会的な議論の対象となってきました。